アラフォーママサーファーである私でび子には
今年の4月に小学生になった息子がいます。
学校に行く時はいつも7:30頃家を出て、帰宅は15:30過ぎなので
平日の日中にサーフィンできる時間が増えました。
年齢を重ねるにつれ、選ぶボードやスタイルの変化はあるにせよ
サーフィンというのは、子供が生まれても、シニアになっても
続けられるスポーツだと私は思っています。
ただ、妊娠・出産の可能性がある女性は
男性よりも続けていくことが難しいのかな…とも思います。
今回は、サーファー女子とマタニティライフ、
そして出産後のサーフィン復活までの道のりについて
実体験を踏まえてお伝えしていきます。
目次
サーファー女子と妊娠
でび子がサーフィンを始めてから丸19年が経ちますが、
サーフィン歴で言うと約15年になります。
というのも、3年10ヶ月の産休・育休期間があったからです。
今振り返ると「そんなもんか」という感じなのですが、
妊娠するまで日常的に海に入っていた当時の私にとっては、
それはそれは長い時間でした。
私は27歳で2個年下の夫と結婚したのですが、
もともと子供をもつことに積極的ではない夫婦だったので
20代後半~30代前半はお互いが好きなことをして過ごしてきました。
私の場合は、サーフィンと、それに伴う海外旅行でした。
29歳の時にはワーキングホリデービザでオーストラリアに滞在し、
30歳~34歳は、毎年2-3回バリ島へサーフトリップに行っていました。
私は遅咲きのショートボーダーなので、
30歳前後はちょうどサーフィンが面白くなってきた頃で
将来のことも大して考えずに
海外に行く費用を貯めるために仕事をするという日々を送っていました。
でび子の夫はロングボードに乗りますが、
サーフィンに対してそこまで熱心ではないし、海外への興味も薄い人なので
ワーホリの時も、バリに行く時も、いつも家で私の帰りを待ってくれていました。
今思えばありがたいことです。
しかし、私が32歳になった頃「真剣に子供のことを考えてほしい」
という要請を受けたのでした。
元々子供が好きではないこともあり、どうしても子供がほしいという思いは
当時の私にはありませんでした。
それよりも「自分の時間を大切にしたい」という思い
そして「サーフィンができなくなるのは困る」という強い思いがありました。
サーフィンが大好きな女性にとって、妊娠・出産は大きな問題です。
少なくとも私にとってはそうでした。
女性が妊娠・出産できる期間は限られているので
どこかで区切りをつけなければいけない。
でも、そのタイミングはいつなのか?
女性の活躍が推進される現代社会においては、仕事のタイミングもある。
もしかして、趣味であるサーフィンのことを気にしてる場合ではないのかもしれません。
そもそも産める前提の話はおかしいのですが、意思を持たないと何事も始まりません。
期間として約2年間、私は様々なことに思いを巡らせました。
しかし、考えれば考えるほど、「自分はどうしたいのか」が見えなくなっていったのです。
ただ、考えていく中でハッキリしてきたのは、この先の将来において
「子供を持つ意思を持たなかったことを後悔しない自信がない」
ということでした。
そして、考え悩み抜いた末に辿り着いたのが…
自然に任せることでした。
最後のバリ島への一人サーフトリップを終えた2013年7月に
PMSのために処方されていたピルを飲むのを止めました。
その翌月に妊娠が判明したのですが、
それは本当に奇跡的なことだったのかもしれません。
妊娠中のサーフィンへの向き合い方
世の中には色々な考え方があるし、医学的な見解もあると思うのですが
私は妊娠が分かったその日から海に入るのを止めました。
何かあっても責任がとれないですし、何というか・・・
サーフィンが小さな命と引き換えにしてまでするようなものではないと思ったからです。
置かれている立場や価値観はそれぞれ異なるので、あくまで私の考えです。
これがサーフィンすることを仕事にしているプロサーファーだったら、
また少し事情が違うかもしれません。
実際に、プロロングボーダーの植村未来さんは
妊娠7ヶ月の時にコンテストに出場し、なんと優勝しています!!
また、海外では妊娠中にサーフィンを楽しんでいる方もたくさんいるそうです。
私の場合は微妙に高齢出産ということもあり、
不安要素は少ないにこしたことはないと考えていました。
それに、悪阻がそこまでひどかったわけではないのですが、
妊娠中はずっと体調が良くなかったので
自ずとサーフィンへの欲はなくなっていきました。
ただ、出産後にまたサーフィンができるのか?
については、それはもうめちゃくちゃ不安で仕方ありませんでした。
サーファー的?マタニティライフ
サーファー的かは分かりませんが(^_^ゞ
以下は私が実際に行ったことです。
サーフィンに充てていた時間を他のことに使う
サーフィンライフに別れを告げた私は
これまでサーフィンに充てていた時間、いわば「余暇」を
何か違うことに使ってやろう!と考えました。
そして、まっさきに思い付いたのが・・・まさかの勉強でした。
私は就職氷河期と言われる時代にうまいこと団体職員になり、
ワーホリから帰ってきた後も正社員として就職を果たしていました。
社会人としてのキャリアは人並みに積んできましたが
自分の学歴に対してずっとコンプレックスを抱えており、
それを克服しようと思い立ったのです。
2013年10月に産能大学の通信教育課程に入学しました。
レポート作成と科目認定試験、スクーリングへの参加、
そして会社員として仕事をこなす日々は
余暇を満喫するどころか、妊婦にとってはなかなかハードでしたが
“サーフィンができない今だからこそできることをしている”
という、何とも言えない充実感がありました。
サーフィンをしてるとできないことをする
以前のブログにも書きましたが
サーフィンと紫外線は切っても切れない関係です。
だから、紫外線を浴びるとできない(難しい)とされるていることは
サーファーであり続ける限りなかなかできないのです。
例えば…
- レーザー脱毛
- レーザーによるしみとり
- 視力回復のための手術
私が全部やりたかったことです(^_^ゞ
これのうち、私的に優先度が高かった
「レーザーを用いたしみとり」をすることにしました。
正確にいうと出産後にスタートさせていますので、
アフターマタニティにしたことです。
育休中に夫に子供を預けて、藤沢駅の近くにある美容外科に通っていました。
それなりに効果はありましたが、授乳中は内服薬の服用ができないので、
レーザーと内服薬の相乗効果を感じることができず、その点は残念でした。
イメージトレーニングをする
一応サーファーらしいこともしていました(笑)
意外に思うかもしれませんが、私の場合は妊娠中ほとんど海に近付きませんでした。
その方が心の健康を保てると思ったからです。
波乗りを楽しんでいる人を見たら、羨ましくなってしまう自信があったので
敢えてリアルな海からは遠ざかっていました。
その代わりと言っては何ですが、遠い世界のサーフィン映像を観ることに力を注いだのです。
BSでやっていたWCT(World Championship Tour)を録画して、何回も繰り返し見ていました。
あまりにもハイレベルな世界のサーフィンなので、現実感がなくて純粋に楽しめました。
そして、世界最高峰の舞台で活躍している選手の技やスタイルを眺めては
なんとなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーく
自分がやる場合に照らし合わせ、イメージを膨らませて楽しんでいました(*^-^*)
レベルが凄すぎて参考にならないことがほとんどなのですが、
脳に焼き付けるという点では良いイメージトレーニングになったかもしれません。
あと、私はやっぱりショートボードが好きなんだ、と確認することもできました。
サーフィン復活の準備をする
出産前の私のイメージとしては、
「妊娠・出産に伴う体のダメージがある程度回復したら、早々にサーフィンができるようになる」でした。
ただ、1年位サーフィンをお休みしているので、いきなりショートボードに乗れるとは思えず
浮力があるボードが必要では?と考え・・・
ショート復活のために、リハビリ用のファンボードを買うことを思い立ちました。
そして、ムラサキスポーツ茅ヶ崎南口店で、7'4ftのファンボードを購入!
出産予定日の3週間前のことでした。
ムラスポの店員さんも、さすがに何か言いたそうな顔をしていました(^_^ゞ
まぁ、今思えば臨月にすることではなかったかもしれませんが、
子供が産まれたら何かと動きづらいことは分かっていたので
お腹の中にいるうちに出来ることはやっちゃえ、という感じでした。
サーフィン復活への道
2014年5月末日に無事出産を終え、新しい家族を迎えて新しい生活が始まりました。
何分初めての子育てなので、右も左も分からず
最初の数ヶ月は眠れない夜も多々ありましたが、
そんな時にもスーパースター達のサーフィンの映像を見て
気分をリフレッシュさせていました。
産後初めてのサーフィン
2014年8月吉日(笑)、生後3ヶ月の息子を夫に任せ
ムラサキスポーツで買った7'4ftのリハビリ用のボードを持って
慣れ親しんだ鵠沼の海に向かいました。
約1年ぶりのサーフィンは、というと…
浮力のあるファンボードなだけあって
よろよろしながらも、何とかテイクオフすることができました。
でも、筋力が落ちたので、思ったようにパドリングできず…
すぐに疲れてしまうし、腕が上がらない。
体力が落ちたことを痛感させらたのでした。
ある程度予想はしていましたが、
あまりの出来なさに意気消沈したことをよく覚えています。
でも、1年間経っても変わらない鵠沼の海に
「ただいま」と呟いてしまうくらい、
海に入れたことが嬉しかったです!
険しい道のり
ファンボードでサーフィン復活を果たした私ですが
その後はなかなか続きませんでした。
なぜかというと、
理由① 母性>サーフィン欲 だったから。
サーフィンをしていても、
夫に預けている生後数ヶ月の子供のことが気になって仕方ありませんでした。
理由② あまりにもできなくて辛かったから
メンタル面では「こんなはずじゃなかった」「前はもっとできたのに」
という気持ちが拭えませんでした。
フィジカル面で言うと、産後の体が柔らかすぎて
パドリングもテイクオフの動作もフニャフニャしてしまい、
とにかくうまくいきませんでした。
数回海に行って「復活はまだ早かった」ということを悟り
自然と海から遠ざかるようになったのです。
ショートボード復活に向けて
その後、育休が明けて職場に復帰したことや、
大学卒業に向けての活動が忙しくなったことで
物理的にも海に行くことが難しくなりました。
かれこれ2年位、ワンオペ的な育児をしていたので
サーフィンどころではなかったというのが正直なところです。
そんな中でも「いつか復活したい」
という気持ちはずっと持ち続けており、
2017年の年初に「サーフィンをあきらめない」
という目標を立てたのでした。
2017年6月に、重い腰を上げ
私は鵠沼の海に向かいました。
持って行ったのはリハビリ用のファンボードではなく、
多少浮力がある5'10ftのショートボードでした。
“どうしてももう一度ショートボードに乗りたい”
という思いが高まっていたので
最初からショートの練習をしようと決心したわけです。
結果的にこの選択は大成功でした!
意外にも、ショートボードでいきなりテイクオフすることができたのでした。
なぜなのかはよく分からないのですが、産後3年が経過し
身体が完全に回復したのかもしれない・・・とそんな風に感じました。
出産後数ヶ月で無理矢理サーフィンした時に感じた
ふにゃふにゃした感じはなく、
パドリングもグラつかずに前に進むことができました。
狐につままれたような気持ちになりましたが、
俄然やる気が出てきました!
それからは、週1回、1時間でも海に入れる時間を見つけ
コンスタントに鵠沼の海に入り、練習を続けた結果・・・
3ヶ月後には、出産前に乗っていたショートボードに乗れるようになっていました。
最初はハラムネ位の波にもビビっていましたが
回数を重ねることで、徐々に大きい波にも慣れてきて、
2019年には、産後初めてバリ島でサーフィンすることも叶いました。
そして、2020年の1月には13年振りにオーストラリアに上陸し、サーフトリップを楽しんできました。
まとめ
もしかしたら、もうサーフィンはできないのではないか?と
めちゃくちゃ不安になった時もありましたが
3年10ヶ月が経っても、海は待っていてくれました。
もし同じ気持ちになっているママサーファーがいたら
「その時がくればまたサーフィンできるようになるから大丈夫!」
と伝えたいです。